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MORIKEN HAUSと建築家のシゴト
case_1 「平屋という回答」

建築家と建てる家は、可能性を広げる住まい設計。
難しい敷地条件、難易度の高い要望に対してあきらめることなく、むしろメリットと捉えて設計と向き合う。MORIKEN HAUSは楽しくなければ家じゃないと思っています。建築家との家づくりがエンターテイメントとして感じてもらえるようアテンドする。そして建築家は、知識と経験を総動員して答えを導き出していきます。

設計をするということは、住宅設計はもちろん、家族の暮らしの時間も設計していくこと。子育て環境はどうか?週末の暮らし方はどうか?地域との付き合い方はどうか?将来の家族のカタチはどうなるだろうか?様々なアプローチを重ね答えを導き出していく。そして、建物はサスティナブルでなくてはならないと思っています。家族の住んでいる時間が記憶として残っていくように、その場所に存在し続ける建築物として価値を残していきたい。

「平屋という回答」

隣には畑。農作業をする近隣の住民が毎日訪れる。最初は、プライバシーを侵害するものだと感じていた。しかし、建築家の畑に対する意見は違うものだった。近隣住民との関係性はずっと続いていくもの。農作業をする隣人とは仲良くなれば良い。設計の発想はそこから始まった。

設計:KAWAZOE-ARCHITECTS 河添甚

「土地の特性」

計画地は、隣地が畑。畑より一段低い位置建築することとなった。土地の形は、少し変形地。敷地の奥に行くと小さな道路に接する。畑に向かって南向きで、日当たりは良好だが畑で作業する人の目が気になるかもしれない。近隣は、閑静な住宅地で不特定多数の車や人の行き交いは無い。とても静かな住宅環境である。

「畑との向き合い方」

最初は、プライバシーを侵害する隣地(畑)だと感じていたが、河添氏はそうは考えなかった。設計の事前調査で計画地を訪れた際、農作業をする近隣住民の印象がとても良かった。声をかけるととてもいい感じで返答をしてくれた。近隣住民の質の良さが、隣地(畑)に対する印象を変えた。プライバシーを侵害するものではなく、近隣とのコミュニケーションの窓口だと感じた。結果、畑側に中庭を配置する設計となる。しかも、平屋の設計。

「一段低いことで」

畑より一段低い敷地レベルを活かして、デッキの高さを調整する。すると、畑側の土留めのブロック塀がちょうどよい背もたれとなる。設計の段階では、なかなか気づきにくいがデッキレベルで座り込むと目線が畑と同じレベルとなる。この視界が実に面白い。しかも、畑のブロック塀に囲まれている感もあり落ち着く空間となった。このデッキは、椅子に座って寛ぐより、座布団であぐらをかいた方が気持いい。

「サプライズ感」

玄関を入ると突き当りに大きな窓を設け、中庭が見えるようにした。サプライズ感と開放感、朝の光を取り込む多機能な窓の設計。中庭を中心に様々な空間が繋がり、広がり感をつくりだしている。玄関と中庭、リビングダイニングと中庭、キッチンと中庭、寝室と中庭、全てが中庭にアクセスする。中庭空間は、外と内をつなぐ中間領域として成立している。「小さく建てても大きく暮らす」という河添氏の設計思想を垣間見れるプロジェクトとなった。

「奥行き感をつくる」

リビング、ダイニング、キッチン、そして奥の居室へと廊下がまっすぐ伸びている。この奥行きが24坪の住まいとは感じさせない。廊下は、リビングや中庭つながり廊下感は無い。居室前の廊下は、スタディスペースやランドリースペースなども兼ねている。一番奥の窓は、敷地の奥の小さな小道に面していて開放感もある。河添氏は、廊下をただの廊下ではなく、多機能にしていき狭小のデメリットを解消している。

「変形地に対して」

変形地は、設計の難易度を上げる。建物は、四角に設計する方がコストメリットはある。あまり建物を変形させると家具なども置きづらくホスピタリティも低下する。この変形地に対して、効率良くゾーンニングした結果、玄関の横にお風呂が計画されることになった。玄関やリビングに近い、いわゆるパブリックゾーンにお風呂を計画することで、変形地に対しピッタリ建物を収めた。考えてみると、子供などが汚れて帰ってきたりすると便利が良い位置だ。玄関からは意外と死角となっており存在がわからない位置になっていた。

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