2024.05.16
AND ARCHI
都市型の敷地条件における設計 vol.2

光の取り入れ方を考える
「青地のモデルハウス」の立地は、南向き日当たり良好の敷地条件であった。不動産会社がお勧めしやすい条件の土地であるが、南側の道路は大通りに隣接しているため比較的交通量が多い。更には、道路向かいの敷地が住宅地として開発されるため、住人が増えるとともに往来する人が増加していく傾向にある立地だった。
そこで建築家は、プライバシーと音の問題を解決するため、敢えて南に面する外壁には窓を設置をしないという選択を取った。これにより、上の写真のようなシンプルで印象的な外観となった。外壁は塗り壁とし、周囲の町並みと溶け込む柔らかな印象の色を選択した。
南側に窓を設けないという選択肢によって生まれるデメリットは、室内が暗くなるということ。このデメリットを解決する設計が「青地のモデルハウス」の最大のポイントとなった。

1階リビングという選択
南に窓を設けないという設計の選択をしながら、更にリビングは1階という構成。普通に考えれば非合理とも思えるリビングの配置構成であるが、この土地に置いては合理的あ回答となった。
幅の狭い狭小宅地に置いてデッドスペースとなりうる廊下を多く取ってしまってはリビングや居室、更には収納が狭くなってしまうという結果になりがち。1階に主寝室や子供部屋を配置すると部屋ごとをつなぐ廊下が生まれてしまう。その廊下をなるべく作らないためにリビングは1階とし、2階の廊下は渡り廊下兼スタディスペースとした。(2階はこちらを参照)
光を導く計算
上記の写真のように、1階リビング選択をしながら明るい空間も達成している。南側に窓を設けない分、リビングダイニングの東西の壁には、大きな窓を上下に設置した。階段の吹き抜けとダイニングの吹き抜けが効果的に光を導き、日中ずっと明るい環境を提供してくれている。
狭小設計にも関わらず、実際の面積以上の開放性を感じることのできる設計となった。この開放性は、実際に体感してみる価値のあるものだと思う。
参考:https://andarchi.net/perspective/episode_027.html?builder=moriken
Editor

君島 貴史 Takashi Kimijima
andARCHI(アンドアーキ)編集長
1975年東京生まれ。横浜を中心に150棟以上の建築家との住まいづくりに携わる。デザインと性能を両立した住宅を提案し続けています。「愉しくなければ家じゃない」をモットーに、住宅ディレクターとWebマガジン「andarchi」の編集を行っています。

