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2025.06.06

AND ARCHI

庭から住まいを考えるということ

「庭、どうしましょう?」 家づくりの打ち合わせが進んでくると、どこかのタイミングで必ず出てくるこの問い。MORIKEN HAUSでは、この瞬間をとても大切にしています。なぜなら、庭の話は、家族の“暮らし方”そのものを描くことにつながるからです。

「どこで深呼吸したいか」「どこで季節を感じたいか」「どこまでが家で、どこからが外なのか」。そんな感覚を話し合うことで、住まいの輪郭が自然と浮かび上がってきます。

庭にも“性格”がある

庭とひとことで言っても、その表情や使い方はまったく違います。 たとえば、週末にBBQをするようなアクティブな庭。 室内からそっと眺めて気配を感じる観賞用の庭。 中庭のように室内と地続きで広がる庭。 あるいは空を独占できる屋上のルーフガーデン。

MORIKEN HAUSの設計では、この「庭の性格」を一緒に言語化していきます。 それは単なる装飾ではなく、「暮らしの習慣」に深く関わるものだからです。

外でも内でもない“余白”としての庭

私たちは、庭を「ただの外空間」として見ていません。 それは室内と外の中間にある“余白”であり、暮らしの呼吸を深くする場所です。

たとえば、窓を開けたときにふわっと風が抜ける庭。 食事の途中でちょっと空を眺めたくなる庭。 子どもが裸足で飛び出していける庭。

そんなふうに、日常のリズムに自然に組み込まれる庭は、 暮らしを何倍にも豊かにしてくれます。

プライバシーと開放感を両立させる設計

特に住宅密集地では、庭はプライバシーと開放感を両立させるための“道具”になります。

MORIKEN HAUSでは、隣家との距離や道路との関係性を丁寧に読み取りながら、 塀の高さや植栽の密度、軒の出方まで設計します。

視線を遮ることで内側を開放する。 囲い込むことで安心して空を仰げる。 そんな“ひらくための囲い方”を探ることもまた、私たちの設計の一部です。

庭は共通言語になる

「リビングの延長として使いたい」 「子どもが自由に遊べる場所がほしい」 「グリーンを眺めながら過ごしたい」

そんな思いを、庭というフィルターを通して共有することで、 家づくりの言語がいっそう豊かになります。

MORIKEN HAUSの打ち合わせでは、模型やスケッチだけでなく、 “感覚の共有”もとても大切にしています。

どんな庭があると、日々がちょっと嬉しくなるか。 そんな問いを、一緒に考えていきます。

「庭がある」ではなく、「庭と暮らす」

私たちが大切にしているのは、「庭をつくること」ではなく、「庭とどう暮らすか」。

そこには正解はありません。 あるのは、ひとつひとつの会話から生まれる“あなたの庭”です。

そしてその庭は、やがて「住まいの真ん中」に育っていきます。

MORIKEN HAUSでは、建物の形よりも先に、 庭と過ごす未来の風景を想像することから、設計が始まることもあります。

それはきっと、庭が暮らしの“案内人”だからなのです。

Editor

君島 貴史 Takashi Kimijima
andARCHI(アンドアーキ)編集長

1975年東京生まれ。横浜を中心に150棟以上の建築家との住まいづくりに携わる。デザインと性能を両立した住宅を提案し続けています。「愉しくなければ家じゃない」をモットーに、住宅ディレクターとWebマガジン「andarchi」の編集を行っています。