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2024.07.17

AND ARCHI

平屋という選択

「平屋は正しい選択か?」

住宅のメリットとデメリットを「住宅性能」「コスト」「設計」の3つの観点でお話してみたいと思う。

「住宅性能」

住宅の性能と言えば、まずは「耐震性能」。年初の能登半島地震のように規模の大きな地震がいつ発生するかわからない日本において「耐震性能」は、安心して暮らすための最も大切な住宅性能と言えるだろう。一般的に2階建てなどに比べ平屋は耐震性能が良くなる。ただし、平屋と言えども構造計算は必須でしょう。許容応力度計算による「構造計算」をしておくことがお勧め。

次に「温熱環境性能」

近年、高断熱・高気密住宅の普及率が上がってきている。しかしながら、高断熱・高気密だけでは住まいの温熱環境が良くなるとは限らないところが難しいところ。「断熱」「気密」「換気」「パッシブデザイン」の4つの要素をバランス良くすることが大切。平屋は、2階建てと比べ上下の温度差が起きにくい構造となっていいる。外壁の面積も延床面積に対して小さくできる傾向にあり、外皮からの熱欠損を抑えやすいと言える。

「コスト」

平屋はコストが上がりやすい構造。同じ延床面積の建物を建てた場合、2階建てに比べ、基礎と屋根の大きさが大きくなるため一般的にはコストが上がりやすいと言われている。しかしながら、2階建ての場合も階段が必要になったり、吹き抜けなどの設計をすることもあるので、一概にコストを比べることができない。暮らし方を設計者にしっかり相談して方針を確認したほうが良いとでしょう。

「設計」

設計的には、構造的に有利な平屋は設計の自由度が高く、大開口の窓を設置しやすいので、開放的な暮らしを提供できるポテンシャルを秘めている。開口を大きくする反面、プライバシー確保という課題にも向き合う必要があるが、周囲の環境に合わせ中庭や外構計画を同時に考えることも大切なこととなる。特に、採光計画が難しい平家は、「中庭」を配置した設計計画が良いのかもしれない。カーテンレスで常に外の空間をリビング空間に取り込める中庭設計は、家族の時間を豊かにしてくれるものになるのでは。

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Editor

君島 貴史 Takashi Kimijima
andARCHI(アンドアーキ)編集長

1975年東京生まれ。横浜を中心に150棟以上の建築家との住まいづくりに携わる。デザインと性能を両立した住宅を提案し続けています。「愉しくなければ家じゃない」をモットーに、住宅ディレクターとWebマガジン「andarchi」の編集を行っています。